

ナノ・ライフ創新研究機構
規範科学総合研究所ヘルスフード科学部門 部門長

Q.矢澤先生がライフワークとされている「機能性おやつ」とは何でしょう?
"おやつ"という言葉の由来は、江戸時代の和時計による八つ刻(やつどき=午後2時から4時ごろ)から来ています。当時、朝と晩の2食が主流で、その間の小腹を満たす軽食がおやつの始まりになったそうです。現代のおやつは、3食をしっかり食べることを前提に、栄養を補助する役割を担っています。適度なおやつは気分転換やリラックス、作業効率のアップなど、心身の健康にもつながります。機能性おやつとは、そういったおやつ全般を指します

Q.「機能性おやつ」を選ぶときどんなことに気を付けたらいいのでしょう?
2015年に始まった機能性表示食品制度により、現在では約1500種類のお菓子がこの制度に基づいて健康機能が表示されています。ただし、表示がなくても健康効果が期待できるおやつはたくさんあります。選ぶ際におすすめなのは、日本人の男女ともに不足している食物繊維を多く含むものです。また、1回に食べるおやつの量は200kcal以下に抑えるようにしてください。糖質や塩分の摂り過ぎにも注意しましょう
Q.ポップコーンは機能性おやつと言えるでしょうか?
ポップコーンは、間違いなく機能性おやつの一つです。不溶性食物繊維が豊富に含まれており、これにより便のカサが増し、排便がスムーズになる効果が期待できます。実際に、軽度の便秘に悩む方を対象にした研究※では、4週間おやつとしてポップコーンを食べ続けたところ、便通が改善したという結果も出ています。特に日本人は男女ともに食物繊維不足が指摘されているため、ポップコーンのようなおやつで手軽に摂取できるのは非常に良いですね ※「ポップコーンの摂取が健常者の便通及び腸内環境に与える影響-ランダム化並行群間比較試験-」。対象は、排便回数が週に3~5回の軽度便秘傾向にある健常な20~65歳の日本人男性および女性計44名。
Q. 食物繊維が豊富な点以外にも、 ポップコーンをおやつで食べることのメリットはありますか?
ポップコーンの主成分はとうもろこし由来のデンプンで、ビタミンやカリウムなど、体に嬉しい栄養素も含まれています。さらに、ポップコーンはとうもろこしの実を膨らませて作るため、少量でもボリューム感があり、満腹感を得やすいのが特長です。この満腹感のおかげで、食べ過ぎを防ぐ効果が期待できます。ついつい食べ過ぎてしまう方は、食べる前に200Kcal以下になるようにあらかじめ取り分けてから食べるといいでしょう
Q. 機能性おやつの観点から、ポップコーンを積極的に食べてほしい人はどんな人ですか?
若い人、特に20代後半から30代になるにつれて、便秘に悩んでいる方が多くなりますよね。そういった方にとって、ポップコーンは手軽に食べられるおやつとしておすすめです。買い置きをしておいて、ちょこちょことつまむだけで、不足しがちな食物繊維を摂ることができます。毎日少しずつ食べ続ければ、便通の改善も期待できますよ。また、高齢になると食が細くなり、栄養不足になる方も少なくありません。ポップコーンは効率よく栄養を補えるおやつとして、こうした方々にも役立ちます。このように、ポップコーンは若い世代から高齢の方まで、幅広い年齢層にぴったりな機能的なおやつですね